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「エフゲニー・オネーギン」 別れた彼女との再会は・・・ [オペラ]

初恋の恋人と何年、何十年ぶりかに再会したとき、恋人はどのように変わっているだろうか。
彼女なら楚々とした品のある女性になっているのか、たくましいお母さんか、明るい社交的な人か、陰のある女になっているか。
男なら成金風の恰幅のいい社長タイプ、人のいいおじさん、いい年をした遊び人、まじめなお父さんタイプか。
どんなタイプでもその人が幸せそうならきっと、ほっとするだろう。余計なお世話だが安心するはずだ。

オネーギンは自分でも意識をしていた娘から告白を受けても束縛から逃れたのか、自ら彼女に背を向けた。
しかも他人を他人を巻き込み傷つける。
オネーギンが久々に出会った以前の彼女は上流階級の美しい婦人になっていた。
婦人になったタチアーナは以前の恋人から告白されても今の愛されている家庭の幸せを選んだ。

オネーギンは大事なところを忘れている。
再会したタチアーナがなぜ美しく華やいでいたのか。彼女のご主人がお金持ちの貴族だからか。確かにそれもあるだろう。しかしお金持ちでも幸せではない結婚はあるだろう。
タチアーナは幸せなのだ。内面から湧き上がる華やかさは人生が充実しているからに他ならない。
パートナーと愛し合うことは燃え上がる恋をしているわけではない。
信頼関係の中家族としての絆に守られる安心感、充実感ではないだろうか。

東京のオペラの森2008 チャイコフスキー:歌劇《エフゲニー・オネーギン》
昨年の「タンホイザー」の衝撃的な演出だったが今年はどうなるのだろう。
今年は昨年のようなショックは無かったが舞台は美しい。
第三幕でのオネーギンがタチアーナに告白する場面。
鏡の階段の奥に雪が静かに降り積もる。
強い照明が二人の心を照らし出すかのようだ。

役者達の美しい声は今回も素晴らしい。
男性の役者たちもなかなかセクシーだ。

第3幕第2場になって初めてオーケストラピットの中をオペラグラスで覗いてみた。
フルートに見たことがある顔。
もしかして工藤重典氏か。パンフを見たいが暗くて字が読めない。
私がわかる数少ないソリスト。
幕が下りてから確認したがやはり間違えない。
本当に一流の演奏家をそろえたオーケストラなのですね。



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phantom

>LittleMyさん
はじめまして。niceありがとうございます。
ご自分でも歌われるのですね。
私はフルートを何年も習いに行きましたがちっとも上達しませんでした。
詳しいことも判らないし。(恥ずかしい)
でも、判らないですが聞くのは好きです。

by phantom (2008-04-24 00:46) 

LittleMy

こちらこそ、ありがとうございます。


はい。歌っております。

「オネーギン」は昔、関西では西本さんが振られたのを見に行きました。
物悲しくも美しいメロディーで大好きです♪

by LittleMy (2008-04-24 10:32) 

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